2017-05-05から1日間の記事一覧

リャマサーレス『黄色い雨』

フリオ・リャマサーレスの『黄色い雨』が河出から文庫で出た。10年ほど前にヴィレッジブックスから出た単行本からは、短編が2つ増えている。表題作は、詩情豊かな叙述が美しく、訳書の単行本刊行時から評判だったように記憶する。国際的にもこの作品の評判は…

J.M.クッツェー『マイケル・K』

10年ぶりに『マイケル・K』を再読した。心底感動した。 年老いて病気になった母親を、ケープタウンから、彼女の故郷である内陸の農場へ連れていくため、荷車に乗せて押してゆく。奇妙な子連れ狼のようなロードムービー的シーン。 母親は家政婦として長く苦役…