双子

宮部みゆき『ステップファーザー・ステップ』

双子の男の子(どうにもカワイイ!)が出てくる愉快な泥棒小説。いちおうミステリーだか謎はほんとにライトなもので、ユーモアと淡いペーソスで読ませる。実は宮部みゆきって初めて読んだんだけど、凄いな上手いもんですね。 語り手は泥棒で、浸入の準備として…

ウィリアム・メルヴィン・ケリー『あいつら』

一種の双子もの小説ということになるかと思う。ただ双子の要素は少なめで、人種差別を引き起こすアイデンティティーやリアリティーの崩壊不安が主題になっているように思う。ディックなどを想起する人もいるかも。かなり読みどころの多く、面白い。 ちょっと…

川端康成『古都』

『古都』は奇妙な小説であると感じた。 ヒロインの千重子は出生に謎がある。京の呉服屋の一人娘として育てられたが、父母は彼女を拾った、可愛かったので攫ってきた、母は実母ではないがこの家で生まれたのだ、等々、定かならぬことを言う。いずれにしても、…